あたしだよ。今日はね、珍しく普段エンカウントしないタイプの人間どもに会ってきたのだ。ずばり親戚である。一応特定防止のため、かなりぼかした内容になってしまうがお赦しあれ。こういうかわいらしい記事も書いて、主婦ババア層も取り込むよ~。
親戚っつてもかけそうな内容があんまりないな。まあいとこの事でも書く。これ以上書きかけの下書きのストックを増やすわけにはいかない。
食事処の長机にずらりと親族が並ぶ。さながらユニバーサル・スタジオ・ジャパンだ。
私といとこはそこそこ年が離れており、彼は今年から中学生だ。めでたい。
そんな彼から話を聞きつつ、私から人生の先輩としてアドバイス的なものを話した。
私にとって近年の彼のイメージはサッカーである。
小学校ではサッカーを中心にいろいろな習い事に手を出してきたそう。中学になってもサッカーを続けたいらしく、他の部活のことはもはや眼中にないようだ。しかし部活(運動部に限る)アレルギーを持っている私からしてみれば、不安で仕方がないのである。
先輩にいじめられやしないか、同級生にいじめられやしないか、後輩にいじられやしないか、逆に後輩をいじりやしないか、レギュラーから不当に外されやしないか、理不尽に怒鳴る割に禄に練習も対策も生徒に教えないタイプの怠い顧問に当たりやしないか。。。
まともに部活を楽しめないまま3年間通いきった身としては、振り返ってみるとどうしても1番に後悔の念が浮かぶ。彼にはそんな思いはしてほしくないのだ。
しかしよくよく聞いてみると。
どうやら現在彼の学校のサッカー部は2人しかおらず、彼とその友人(習い事仲間)らが入ってやっと11人になるかもしれないとのこと。は?
私の住んでいるところは田舎だが、彼の住んでいるところはもっと田舎ゆえ、単純に生徒がいないのかと思われたが、そういうわけでもなさそう。あまりにもサッカー人気がないのか。笑わせる。
いや待てよ、よく考えたらそんな状況、普通に部活内で「何か」ないと起こり得ないだろ。ストライキとかさ。今ふと過った。そういえば身内にいたなそんなヤツ、身勝手な理由を無理やりつけて自分の運動能力を棚上げしたあげく部活バックレたゴミ。あれこれ複数名に刺さるな。誰とは言わんが。
まあいい、何か起こってからじゃないと警察でも動かないんだから。
そんなわけで取り敢えず私は彼に言った。
「レギュラーに必ずなれるほどの実力があるか、互いに信頼出来る友人が複数人いないとキツイぞ。」と。前者はアレだが。そして続けた。
「クラブチーム(習い事)で走り込みはしているのか。」
彼は首を横に振り、隣に座る彼の父がつけたした。
「小学生のうちはそこまで習い事もガチ指導系ではないし、走り込みはない。」
そして衝撃の事実。
「朝練含め部活は平日週3回まで、土日はどちらかのみ、そして平日は17時までしかない。そんな短い時間で、走り込みなんてできるか」
彼の父を名乗る男は、コンクリートで私の頭を殴った。流れる血もそのままに、私は言われた言葉を受け入れられずにいた。ゆとりだ。またやってきたのだ。
そのルールが全国的なものなのかは不明だ。しかし、いとこが通う学校ではそうなのだ。受け入れなくてはならない。辛い。時間を返せ。
窮地に立たされたうしずぼだが、一手の閃きにより、立場は再び回復した。
「スマホはどうするのですか」
かくいう私うしずぼ猫吉餅(びょうきちもち)は、スマートフォンを高校生まで持っておらず、部活でのコミュニケーションで非常に苦労した。辛かった。彼のご家族はどうだろうか。
「持たせようと思う。制約付きで」
そういう男は相変わらずコンクリートを齧っている。返答としては予想通りであった。
「制約とは」
「フィルタリングや時間制限ではない。そういう制限は却って反動が怖い。成績が下がったら、契約解除だ。視力も下がったら、そうなるかもしれない」
遺伝に視力が勝てるわけないだろ。当人でもある私は笑った。私の顔を見て察したのか、男も笑った。男は眼鏡を愛用していた。どうやら制約は無知な女が形成するのが世の常らしい。
私はそっと、スマホはラインと僅かな機能のみにした状態で固定パソコンを与えることをおすすめしておいた。男はパソコンに造詣が深いので、それも視野に入れているかもしれない。
話題は自然に勉強へと移る。ここでこそアドバイスだ。勉強が苦手といういとこにこそ、うしずぼのコトバは深く沁みる。
「小学校は遊んでてもなんとかなるが、中学校ではそこそこ、いや結構勉強はしておけ」
私は袖からトランプのスペードを取り出し、いとこへと差し出す。「〇〇高校(母校)へおいで」と書かれたトランプを無言で眺める彼だが、彼は勉強が苦手らしかった。具体的なアドバイスはない。ジャストドゥイットである。
「本は読んでおけ。高校の国語は、以下に過去に読書に向き合ってきたかで左右される」
続けて私は言った。彼は読書も苦手らしかった。彼の父曰く、西遊記的なのを読ませてみたものの興味が湧かなかったらしい。まあ当然だ。しかしそこはうしずぼ。
「〇〇(いとこ)はワン・ピース、そしてブルー・ロックにぞっこんなはずだ。漫画にはない映画やスピンオフの小説版がある。そこから入るべきだ」
と、有料級のセクシー・アドバイスメントをしてみせた。
↑1.8億の男
ちなみに私の身の上話もしたのだが、割愛する。他人の個人情報は書き散らしてる癖にな。
料理を注文せずにフリー・ドリンクサービスでお腹も膨れてきたところで、店員から退席するよう指示があった。どうやら他の団体が来たそうだ。
店の前で記念撮影をし、別れた。次に会えるのはいつになるだろうか。誇れるような事ができていればいいと思う。