やほくしゅ🤙 うしすぽだ。
話の種がない。子の種はこんなにもあるのに!
軽い下ネタはここまで。
さて、先日の大学の新入生歓迎会。
吹奏楽や演劇、合唱など、様々なサークルや部活動が出し物をする催しが学校の講堂で行われた。
もちろんその中にお笑いサークルもある。
俺の大学のお笑いレベルを知れるチャンスだ。
これ目的で、あの臭い電車に乗ってきたと言っても過言ではない。過言だ。
客はおよそ70人ほどだったろうか。それはどうでもいい。楽しみだ。まるで本物の寄席を見に行っているような感覚だった。
始まる。
1組目は男女コンビ。漫才を披露していて、普通の会話のような声量とテンポでボケをかましていた。プロの漫才コンビだと、金属バットに少し似た雰囲気があった。ボケは全て面白かった。ウケていた。
2組目は女性コンビ。こちらも漫才だったのだが、ボケてツッコまれた途端毎回音楽が流れてパラパラを踊り出すというシュールなネタだった。これは意味が全くわからなかった。だがそれが面白かった。テレビでも見たことない世界観だった。
3組目はピンでコント。設定がとにかく面白かった。さらに長い尺で1人でずっと喋っていて、一度も噛んでいなかったので、どれほどの練習をしたのだろうかと気になった。慣れているのだろうか。
4組目は男性コンビの漫才。漫才コントを披露していて大きな動きも取り入れていてとても見応えがあった。演技力もすごいなと思い、ボケの人の声も良かった。
トリの5組目も男性コンビの漫才。めちゃくちゃ上手かった、テンポとかが。ボケの人の喋り方も面白くて、個人的に1番笑った。
終わった。
俺は帰りの電車の中でネタを書きたくなった。
俺もウケとるぞ〜!と、鼻息を荒くして興奮していた。車内で。
そして電車の中で一本のネタが出来上がった。
プロマジシャンに弟子入りするというネタを書いたのだが…
「こんなの…うけるのか…?」
俺は電車の窓に映る自分を見た。表情が曇っていた。そして左手に握っていたみるくウサギの赤ちゃんに目をやった…
「ごめんよ…」
俺は今危険なサークルに入ろうとしている。俺は大恥を掻き続けるキャンパスライフを送るかもしれない。
ネタ書く力もなければ演技力もなく、トーク力もない俺だ。そんなのが上手くやっていけるのか。
プシュー
駅に着いた。心がボロボロになった俺はゆっくりと電車を降りた。
すると俺の後ろに続いて歩いている中年男性がキャリーケースを振り回して俺の顔面に思いっきりぶつけた。
「小僧!お前歩くの遅えんだよ!!」
その日の夜は暗かった。だが俺の表情の暗さには勝てていない。
俺は帰路で、夜空に向かって叫んだ。
アオーーーーーーン!